個人情報保護法
この法律ができた背景
パソコンとインターネットが一般家庭に普及しだしてもう10年以上経ちますが、まだまだ普及している途上です。企業もIT化を目指し、会社の仕事でデータや文書を作成する際はパソコンを使うのが一般的になってきています。しかしこの数年で企業などから漏れ出た情報は膨大な数になります。その情報の中には個人情報のデータベースなども含まれ、たった数メガバイトのデータによって何千人という人の個人情報が流出してしまうのです。個人情報の流出は、流出した企業だけでなく、データに登録されているすべての人に不利益をもたらします。ですから、個人情報の取り扱いには細心の注意を持ってあたりなさいということで、この法律が作られ、2005年から施行されています。
個人情報って何?
個人情報とは、生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるものを指します。例えば名前がなくても、住所と生年月日さえあればその住宅の中の誰と特定できるので、個人情報といえますし、「yamada-taro@○○会社名.com」というメールアドレスから○○会社のヤマダタロウさんと特定可能な場合はこのメールアドレスも個人情報となりえるように、広い範囲が個人情報として扱われることになります。
個人情報保護法の概要
個人情報データベースを事業に使用している個人情報取扱事業者は、個人情報を漏洩した際には主務大臣への報告義務などを負い、これに従わない場合や個人情報を適切に扱わなかった場合は罰則があるといったものです。
個人情報データベースとは、個人情報が入っていて、簡単に検索できるコンピュータのデータベースや、日付や五十音順などで並べられた紙媒体を指します。個人情報取扱事業者とは、5000人分以上の個人情報データベースを所持する事業者のことで、例えば個人向けの販売をしていて5000件以上の受注者リストをもっている会社は個人情報取扱事業者となります。
個人情報取扱事業者にはさまざまな義務がありますが、重要なのは以下の点です。
- 個人情報を顧客などに求める際はその求めが適正であり、その利用目的を本人に通知する。
- あらかじめ本人の同意がなければ第三者に個人情報を提供してはならない。
- 本人から個人情報の開示や間違いの訂正、消去の請求があった場合は応じなければならない。
ただしこれらにより公益性が損なわれる場合や、犯罪などが関わってくると例外的に義務が解除されるようになりますが普通の人ならばあまり関係のない話です。
あらかじめ本人の同意がなければ第三者に個人情報を提供してはならないといいましたが、第三者への提供を目的としていること、第三者に提供される項目、第三者に提供する形態をあらかじめ本人に通知するか、「本人が容易に知りうる状態においているとき」は本人の同意を得なくても第三者に個人情報を提供することができるのです。もちろんこの場合でも、本人から提供停止の請求があった場合は応じなければなりませんが、このように本人の明確な同意なしに行われ、拒否された場合にのみ停止するやり方はオプトアウトと呼ばれ、メールマガジンや広告メールでも多用される手段ですが、利用者側には好まれておらず、名簿屋などもこのやり方に従えば合法的に存続するのでちょっと迷惑な条文かもしれません。
この法律を守らないと…
罰則: この法律に違反した場合、まずは主務大臣から勧告が出ます。それでも改善されない場合は命令が出ることになります。しかしそれでも違反が続く場合は刑事罰の対象となり、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が課せられます。
損害賠償: 情報の流出などで不利益や精神的苦痛をこうむった場合は、民事での損害賠償裁判で償ってもらうこともできます。例えば京都府宇治市の住民基本台帳データが不正流出した件では宇治市に対して、住民一人当たり1万5千円の賠償が命じられました。
世間の反応: 情報が流出したということになればマスコミに騒がれますし、これだけ個人情報保護が叫ばれている時勢にそんなことがあれば社会的信用もガタ落ちです。
クレジットカードと個人情報
クレジットカード会員とクレジットカード会社は個人情報によって密接につながっています。個人情報なくしてカード発行はありえないのは自明の理です。カード会員は個人を特定する情報だけでなく、勤務先や年収、家族構成、カードの利用履歴など、個人に深くかかわる情報を預けているのです。ですからカード会社は個人情報の扱いに関してはエキスパートと言っても過言ではありません。とはいえ、そんなに知られているというのもちょっと怖い話ではあります。
プライバシーマーク
ところでプライバシーマークを見たことがありますか?○のなかにPが入ったマークです。プライバシーマークとは、個人情報保護に関して一定の要件(JIS
Q 15001)を満たした事業者に対して、財団法人日本情報処理開発協会 (JIPDEC)
が認定する登録商標です。個人情報保護法が施行された後に、消費者へのアピールや他企業への対抗のための取得が増えているこのマークですが、第三者が審査するものなのである程度は信頼できます。
ほかにもISMSといった情報管理の国際基準もあります。
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